はじめに
2023年09月01日
2024年度より住宅新築の様相がガラッと変わってきます。
長期優良住宅・低炭素、ZEH水準省エネ住宅、省エネ基準適合住宅など。
大まかにいえば、「住宅性能が高く冷暖房効率に優れた良質な住宅」という高断熱・高気密な住宅を推進することのようです。建物の性能によって住宅ローン控除に差異が出ます。
日本の住宅は、高湿度との戦いでした。湿度を逃がすため、風通しを良くすることを念頭においた建物でした。ある意味、冬の寒さを無視した建物となっているとも思えます。
24年度対策として、高断熱・高気密でありながら、通気性能を有した住宅も各メーカーが開発をし、続々と出してきております。高断熱・高気密にて施工するので、外部の湿度を 除外して、エアコン1台で24時間全館空調ができることも可能となっているようです。
当社はそのような建物に異論を唱えるものではありません。ただ、例えばサッシを高断熱にするため、夏の日差しの暑さは室内に入ってきません。
でも冬の暖かな日差しも入ってくることができません。そんなところに違和感を覚えてしまうのです。
今回、私たちは、日本古来の木造在来工法かつ、接合部に極力金物(ボルト等)を使用しない、大工さんの手刻みによる建物を企画いたしました。
この建物は、前述の流れに真っ向から反するものとなります。夏熱く、冬寒いと思われます。しかし、建築しながら新たな住宅性能に近づけるヒント、施工方法がないか模索してみたいと思います。